09.あいしてるよ?:02



※ここからエロエロです。ご注意くださいっ。










視線を奪われたまま見つめていると、月がふと頭を下にずらし、照のズボンのジッパーを器用にくわえてみせた。

「…な、に…を‥っ」

そのままジー…と、ジッパーを下ろす音が、静寂の中で妙に大きく響き、ようやく我に返った照が焦った静止の声をあげる。
身を退こうとするものの、鎖で両手を戒められているし、何より、神に怪我を負わせるなどと以ての他だ。
当然、実力行使で抵抗することはできなかった。

「……神‥ッ」

「…んっ……」

だが言葉だけでは抑制にはならず、薄い上唇と下唇ではさみこんだ黒のビキニパンツをゆっくりと引き下げられる様を、なすすべもなく見下ろすことしかできない。

「……お戯れは………。」

神の目的とするところが全く掴めなかった。
ただ一つ分かるのは、これ以上進んでしまえば、自分がどうなるかさっぱり分からないということだけだ。

彼は知っているのだろうか?

毎夜、彼を誰も知らない場所へ鎖で繋いでぐちゃぐちゃに犯し続ける、あさましい夢を見ることを。
ふとしたときに彼が照だけに見せる安らいだ表情に、脳内ですぐさま彼を裸にひん剥き、狂ったように突き上げ続ける自分がいることを。
彼への抑え切れない欲望を持て余して女を抱くとき、身も世もなく喘ぐ女にいつも彼を重ね合わせていることを。
彼は、分かっているのか?
理性の崩壊した自分が何をするのか…自分などが神を汚すことなど許されない。
それともこれは、何もかも承知の上での断罪なのだろうか。
照が困惑と焦りに満ちた言葉をかけるも、月は黙したまま、数瞬の躊躇ののちに、まだ何の反応も示していないというのになお標準の数倍のそれへ、おずおずと舌を這わせた。
確かめるようにぺろりと先端を舐め、それから上目遣いで照を見上げつつ、太い幹の部分を子猫のようにぺろぺろと舐めあげる。

「…………く…っ…」

「…んっ……んん…っ…」

拙い、あまりにも拙い子供のような愛撫。
だが、照は凄まじい興奮に脳髄が痺れるのを感じた。
一挙に下半身に熱が集中し、数段巨きさを増したそれが赤黒く筋を浮かばせて力強く勃ちあがる。
普段なら感じようはずもない、一笑に伏すような拙い口淫も、羞恥のために赤く染まった目元や甘く潤んだ瞳も、うっすらと上気した頬も。
全てが彼がこういった性交渉に不慣れなことを指し示していて、それだけで照を興奮させる。
何より、自分の絶対者であるあのうつくしい神が、自ら自分の欲望に舌を這わせているのだ…それは、暗い悦びだった。

「…んぁっ……すごく、おおきくなった………てる、きもちいい……?」

「このような………いけません、月様。」

潤んだ瞳でひたむきに照だけを見つめて、たどたどしく紡がれる言葉に、必死の思いで理性の欠けらを繋ぎあわせる。

「…………んっ」

すると、一旦唇を離した月が、黒々とした繁みを鼻先で掻き分けて、睾丸の一つを口に含み、飴玉を転がすように舌先でくちゅくちゅと転がしてみせた。
これにはさすがに官能の熱い吐息を洩らして、照は理性と欲望の狭間で、その端正な顔を苦悩に歪ませる。
甘い紅茶色の双眸をうれしげにしならせ、月はもう一つも同じように愛撫したあと、そそり立った怒張の筋張った裏筋に、下からゆっくり舌を這わせた。
大きくカサを張ったカリの部分を丹念に舐めてから亀頭に辿り着くと、尖らせた舌で尿道を擽り、滲みだした先走りを丁寧に舐めとる。

「ん…っぁ……に、がい………。」

「…………っ」

月は舌に広がる独特の苦みにかすかに柳眉を寄せたが、次に小さな唇を精一杯開いて、太い亀頭を呑み込んだ。
白くほっそりとした優美な指を、月の唾液でぬらぬらと光るグロテスクなそれにそっと這わせ、繊細な動きで上下に扱きたてる。

「…んぅ……んっ…うむぅ……ぅ、ん……んん…っ…」

「…は、…ッ……」

半分以上も呑み込み切れずに、それでも精一杯なのだろう、狭い口内をいっぱいにして必死に舌を絡めながら、月が白くちいさな顔に苦しげな表情を浮かべた。
細い顎とそそり立った太い幹に、呑み込みきれない唾液がだらだらとつたう。
照は今にもタガが外れてしまいそうな自分を、強く唇を噛み締めることで戒めた。
噛み切った唇から血がぼたぼたと流れているが、そんなことには構わない。
気が済んだのか、顔をあげた月が、それを見咎めてそっと指先をのばした。
照の唇から流れる血を絡めとると、それを自らの唇に塗り付けて、にたりとわらってみせる。

「…ラ…イト、様…………」

赤い唇が紅を引いたような妖艶さに彩られ、照はむせかえるような艶めかしさに酔い痴れた。



















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2006.02.05