幻水5カイ主妄想











ちろちろと、部屋の隅に控え目に点された炎が揺れている。
うつらうつらと首を傾けながら、その影をただじっと見つめていた。
ファレナ女王国第一王子。
大層な肩書がついてはいるが、自分はそんな立派なものではない。
父も母もとても尊敬しているし、妹も可愛い。優しい叔母やリオンなどの女王騎士に護られた、しあわせな生活。
けれど、はたして自分にその幸せを享受できる資格があるのだろうか?
今の生活に不満などあろうはずもないが、いつも同じ疑問に立ち返ってしまう。
堪らない哀しみが胸を貫いて、優しい稜線を描く細い眉根が苦しげにきゅっと寄った
代々長女が王位を継ぐこの国に、王子など無用の長物。
男である自分など、扱いに困る邪魔物でしかなく、これから先も争いの火種にぐらいしかなりようがない。
自分など、本当は生まれなければよかったのではないのだろうか。
みんな、みんな大好きで、迷惑をかけたくなくて、だからこそ自分の存在が申し訳なくて。
昼間聞いた貴族の言葉が、今も頭に響いていた。
おかしいな、こんなのもう、慣れっこのはずなのに。
ふ、と自嘲が口許を掠める。
表面上はにこにこと優しげな笑みを浮かべながら、その実、裏では口さがない貴族達が自分のことをどう思っているかなどよく知っていた。
これでも今は随分とましになったものだ。
妹が生まれる以前は、次代正統王位継承者不在のためだろう、何故男などが、と聞こえよがしに目の前で囁かれ、周囲の風当たりは相当酷いものであった。
だから今日の一件などはほんの軽いものに過ぎないはずなのだが…王都をしばらく離れていたせいか、久しぶりに聞いた自分への批難が耳に残り、なかなか穏やかな眠りへと身を任せることができないでいる。
コツ、
そんなとき、扉を叩く微かな音が部屋の静寂を打った。

「ん、………?」

柔らかな寝台に預けていた身体を、ゆっくりと起こす。
軽く首を傾げる所作に従って、ほどかれた銀の髪が、さらさらと背中を流れた。
じっと薄明かりに浮かび上がる扉を見つめていると、音もなく扉が開かれる。
見慣れた金髪の長身がするりと部屋の中に滑り込み、安堵にほっとちいさく息をついた。

「…カイル」

「こんな夜分にお邪魔してすみません。ひょっとして、もうお休みでした?」

「ううん、丁度眠れなかったところだったから大丈夫だよ。
…それより、今日はどうしたの?いつもいろんな女のひとのとこなのに」

悪戯な笑みを見せてからかうと、端正に整った華やかな美貌がニヤリと悪辣に薄い唇を吊り上げる。

「ええ、そりゃもう毎日大変ですよー。可愛い女の子たちが俺を放してくれなくてね。
でも、今日は俺の大事な大事な王子様がいじめられて落ち込んでたようですから。
優先順位を間違えたりはしませんよ、俺は。」

「あはは、またそんなこと言って…でも、気にしてくれて嬉しいよ。
…ありがとう、カイル」

「いえいえ、それがお仕事ですから」

おどけたように肩を竦めると、静かに歩み寄って来たカイルは寝台の端へと腰を下ろした。
子供の頃からの付き合いなのだから、お互い気心の知れた中である。
再び寝台に身体を預けて見上げると、深い蒼の瞳が優しくこちらを見下ろしていた。

「ほんとに、感謝してるんだ。カイルはいつも助けてくれるから…守ってくれて、ありがとう」

「あんな連中の言うことなんざ、貴方が気にすることはないんです。
どうせ我が身の保身と金勘定くらいしか能が無いんだから」

「うん…でも、本当のことだから。………僕は、“いらないもの”だからね」

寂しげにちいさく微笑んで見せると、大きくて武骨な手の平が自分の片手をそっと取る。
驚きに薄いみずいろの瞳を丸めるが、そのまま大事な宝物に触れるかのように大切そうな仕草で手を包み込まれてしまった。

「か、…いる……?」

「王子は、俺が必ずお守りします。これまでも、そしてこれからも。
…だから貴方は、何も考えずにずっとここに居ればいい。大切に護られて、ただ笑っていればいい。」

「ぇ……?」

「俺は、あなたの騎士です。」

困ったようにぱちぱちと瞳を瞬かせていると、くすり、と甘い微笑みを浮かべてカイルは華奢な白い指先に忠誠のキスをひとつ、落とした。

「ッ…!?」

女王でも滅多にされないような行為である。
あまりの恥ずかしさにかぁっと顔を赤くして、バッと自分の手を取り返した。

「もうっ…こうゆうことはやめてっていつも言ってるだろう!
どうせなら、カイルの大好きな可愛い女の子たちにやってあげてよ…!」

「冗談でしょ。王子以外に忠誠なんて誓えませんよ。」

赤い顔で睨むが、貴族のご婦人方からうら若い町娘たちまできゃあきゃあと騒がれている美貌には、全く悪びれた様子がない。
いつもこの調子なんだから…。
はぁ、と溜息をついて瞼を閉じた。

「それに、カイルは僕の騎士じゃなくて母上の女王騎士だろう…」

「俺はいつだって、王子の騎士ですよ?」

「だからね…」

ひょうひょうと言われて、更に深い溜息がもれる。

「けど、しまったなー。騎士団の入団試験の時、もうちょい手ェ抜けばよかった。
そうしたら、俺も王子の護衛になれたのに…リオンちゃんがうらやましい。
つーか、なんで視察の時はいつもゲオルグ殿がお供なんでしょうねえ?たまには俺に譲ってくれたっていいでしょーに」

しかしこちらの様子など構う事なく独り言のように呟かれて、抗議しようと薄く開いた唇を諦めに閉じた。
目を開けて見ないでも、カイルがつまらなさげに唇を尖らせているのが手に取るように分かる。
ふっと優しく頭に手を置かれて驚きに一瞬固まるが、そのまま宥めるように優しく撫でられて全身の力を抜いた。

「ま、そんなことより…もう、大分落ち着きました?ゆっくり眠られそうですか?」

「うん…ありがとう…」

もしかして、さっきのあれは自分の気を紛らわせるためにわざとやったのだろうか…?
カイルとのやり取りのお陰で、あの貴族達の言葉などもうすっかり吹き飛んでしまっていた。
繰り返し撫でられているうちに、安心のためか、ロードレイク視察の慣れない船旅の疲れがどっと押し寄せてくる。
一気に眠りの淵へ引きずり込もうとする強烈な睡魔には、抗いようがなかった。

「おやすみなさい、俺の王子…」

「……おやす…み……カイル………」

さほど時間も経たないうちに、すうすうと穏やかな寝息が部屋を満たす。
さらさらと滑らかな銀の髪を梳き、カイルはうっそりと昏い笑みを浮かべた。

『王家の男子なんて…あんなもの、他国の婿にくれてやるくらいしか用途がないだろう。
外になんて出さず、飼い殺しにすればいいものを』

昼間、そう喚いていた貴族の顔が目に浮かぶ。

「飼い殺し、飼い殺しねぇ…」

―――――本当に、そうしておけばいいのに。
カイルはくつくつと低く喉を震わせた。
何も知らない、可愛い可愛い、俺の王子様。
この美しく完璧に整えられた箱庭で、大切に鍵をかけてしまわれていればいい。
綺麗に飾られて、小さな世界だけを全てに、永遠に閉じ込められていればいい。
周囲は敵だらけで、頼るものもいない、容易に外に出ることも叶わない、おかわいそうなオウジサマ。
それならば、俺は貴方に無限の優しさを注ごう。砂糖菓子のようにあまい言葉と笑顔を捧げよう。
狭い世界に閉じ込められるというのならば、俺から逃げ出される危険などないというのならば、俺は貴方を守ってあげられる。貴方から全てを奪わないでいてあげられる。
一房の銀糸を掴んでくちづける。
ゆっくりと手の平を開くと、掲げた指の隙間から、すぐにさらりと流れ落ちてしまった。
鋭い爪を研ぎ、ぐるぐると喉を鳴らしている猛獣の前に、安心しきった幼い顔で眠る獲物がいる。
華麗な容貌を彩る、豪奢な長い金髪を炎に紅く染めて、獣は満足そうに蒼い双眸を細めた。



















幻想水滸伝5をお勧め頂いたので、早速買ってレッツ(王子視姦)プレイ!(死になさい
僭越ながら、お勧め頂けたアキ様に勝手に捧げさせて頂きます…!(爆
あの、王子もカイルも偽物過ぎて本気すみません…!(土下座
プレイ時間僅か2時間…なんか妹たん(妹姫様可愛いですね!王子好き好きなところが…小さくても立派な攻め様です!うっかり妹×兄に萌えちまったぜ…じゅる)(ほんともう黙れよ!)の婿を決める闘神祭…?なんか祭に行くところまでしか進んでないのでよく人物も背景も掴めてない……。(死
にも関わらず萌え勢いで書いてしまいました…だって王子可愛いよ可愛いすぎるよハァハァ(;*´Д`*)
敬語かタメか迷いましたが、他所さまはタメみたいなんで一応タメ口で…まだどのキャラも一人称すら分かってないんですがね…!(うおい!
目上には敬語な真面目王子もいいよなあ…てゆうかもう王子ならなんでもいいハァハァ(萌
ちなみに、うちの王子の名前は祖父から取って『ユキヲ』です。(死ね
だってろくな名前が…私のネーミングセンスはご存知の通りでございます…ホラ、ちかんでんしゃとかね…(涙
天国のじーちゃんもきっと喜んでるよ!ウン!(うおい!
うーん…小説書かせて頂くとなったらもっとましなの考えなきゃとは思いますが…夢小説って苦手なんで名前入力式っていうのもなあ…。
そんなことはおいといて、グラフィックも思ったより全然綺麗で、なにより顔の表情が細かくてびっくりしました。
王子の困った顔とか困った顔とかはにかんだ笑顔とかちらりと覗く細い片腕とか目に眩しい剥き出しの肩の鎖骨とか鎖骨とか鎖骨とか鎖骨とかに目が釘付けで、もういろいろ大変でしたYO!(撲殺
ゲオルグ様の凛々しいお姿と王子との体格差にもう画面に二人が並んだだけで悶え転げましたハァハァ。
騎士のくせに、一人、王子呼び捨てなとこも萌え…!
カイル殿に至っては、もうアレ完璧王子狙ってるっしょ?な次元でありました…画面に二人が並んだだけで悶えこ(以下略
だって、貴公、公務を放って何処へ行っていた!に、ちょっと王子様にお会いしたかったからね、ですよ奥さん…!(ごろごろ
サモ2週目(フェアでギアンENDを…並行してシンゲンと兄貴も狙うつもりです押忍!)をやりつつ進めたいと思いますv
そのうちゲオ主も書きたいナア…っていうかゲオルグって幻水3にもいませんでした?なんか眼帯の人いたような…別人?
とりあえず進めていくうちに変なとことかあったら直したりていうかこれもう消したりするつもりです…本当こんなん書いちゃってすみません…!(滝汗
さって、そろそろサモ小説に戻るか…途中でほっぽってきたのでまた戻ります…!
コメント返信もその時にまとめてさせて頂くつもりですっ!
それではこんな語りも最後までご覧下さって本当にありがとうございましたーっ!

御影








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2007.02.03