みつわたSS











「ワタル」

いつもは絶対に出さないような甘い声で名を呼ぶと、小さな肩がぴくりと震えた。

「わぁたる?…来いよ」

猫撫で声で再度呼べば、こぼれ落ちそうなほど大きな瞳がおどおどと俺を見上げる。

かわいい。
かわいくてかわいくて、たまらない。俺のワタル。俺だけの。

微かに口角を上げて見せれば、途端に頬が真っ赤に染まった。
ああ、どうしてワタルはこんなに可愛いんだろう?
これでは自制なんてできるはずがない。

「……あ、あの……ミツル…でも、」

「ワタル」

少し強く名を呼べば、ワタルはゆっくりと俺の傍に寄ってきた。

「…そうじゃないだろ?」

先程よりか幾分優しい口調で諭してやるが、しかしワタルはそれ以上は動こうとしない。

「……俺の言うこと、聞けないの?」

「ち、ちが…っ!」

「違わないだろ」

冷たい目で見据えると、ガバッと上げられた顔が泣きそうに歪んだ。

「ワタルが嫌なら、俺は別に構わない…さよならだな、ワタル」

「なっ……なんで…?」

潤んだ瞳が戸惑いに揺れている。

「ワタルはワタルの言うことを聞いてくれる友達と遊べぱいい…ワタルの周りにはたくさんいるだろ?
…俺も俺の言うことを聞くヤツと遊ぶから」

「そんなの…絶対ダメだっ!」

ワタルが勢い良く飛び付いてくる。
とうとう大きな黒い瞳から大粒の涙がぽろぽろと零れだしていた。
俺は甘いワタルの涙を舐めとりながら、わざとらしく戸惑ったようにワタルの名を呼んでみせる。

「…ワタル?」

「…み…つるが、…ぼく以外と遊ぶなん…っ…て…やっ……だぁ」

「…でもワタルは嫌なんだろ?」

「やっ…じゃない…よ!…はずかしい…だけ、…でっ…友達とあんなことしていいのかなって…うっく…」

「いいんだよ」

俺はワタルの耳元でうっとりと囁いた。

「アレは一番同士がすることなんだから…。
…俺の一番はワタルだけど、ワタルは違うのか?」

途端にふるふると首が横に振られる。
泣いたためか、まろやかな頬が紅潮していて、食べてやりたいぐらいに可愛い。

騙されやすくて、何も知らない可愛いワタル。

「おいで、ワタル」

俺は甘く瞳を眇めて微笑んだ。



















短めですみませ;
可愛い連発のミツルさん。(若干変態入り)
アレはご想像におまかせします(爆
当サイトではミツ→ワタのようです笑

御影








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2006.08.22