11話ネタジノルルSS



11話の微ネタばれなのでご注意くださいませー!SSというのもおこがましいほど短いです…。(汗










ビクリ、と僅かに震えた細い肩に、ジノは遠慮なく抱きつき肩を引き寄せようとしていたたその手を反射的に止めた。
行き場を失った大きな掌が、数瞬、ぶらりと所在なさげに空中を揺れる。

(……あれ?)

まず最初に浮かんだのは、違和感だった。
自分は普段、相手の反応などを見て遠慮するようなタイプではない。
馴れ馴れしい態度に距離を置きたがる者も多いが、逐一相手を気遣って行動するなんてのは疲れるわ面倒だわで真っ平御免だ。他人への気遣いなんてする気は毛頭無かった。
それに、誰にでも気安く接する軽い態度と相手に構わず強引に振る舞う無遠慮さは、ジノをより軽率に、鈍感に見せる。
そうして相手がジノを取るに足らないと侮れば侮るほど、相手に隙が生まれいろいろとやりやすくなる、というわけだ。
気を抜けばすぐ足元を掬われるブリタニアの上流階級に、ましてやナイツオブラウンズに名を連ねるのならば、これぐらいの処世術は持っていないとやってはいけない。
四男坊というお気楽な立場ではあるが、一応大貴族の子弟としてそういう術は幼少から叩き込まれている。
まあ生粋の貴族だからこその生来の無神経さも多分にあることは、ジノ自身にも否めないが。
故に、ジノは先程の自分の取った行動が俄かに信じられなかった。
思考が挟まる隙も無く、身体が勝手に動きを止めた。
まさに、反射だ。
解らない。何故、息をするよりも自然にそういった振る舞いのできる自分の身体が、今ばかりは無意識のうちにでも躊躇したのか。
不可解な己の行動を吟味しながら、目を細めて未だ戸惑っている風な眼下の相手を見下ろす。
そして次にジノを襲ったのは、強烈な既視感だった。
絹糸のように艶やかな、漆黒の髪。
その合間から覗く澄んだアメジストの瞳は、意志の強さを示すようにきらきらと瞬いて、見る者を掴んで離さない。
肌は陶器のようになめらかなしろさで、華奢な頤と細い手足をより一層引き立てていた。
肉付きの薄い、細身の体躯は頼りなく、すらりと締ったその細腰などはジノが少し力を込めて抱けばぽきりと折れてしまいそうだ。
ちいさな顔に完璧に配置された、すっと鼻梁の通った小造な鼻に薄い唇、細い柳眉。
何より、強く瞬く、大きな紫水晶の瞳。
男であっても十分すぎるほど感嘆に値するその美貌が、戸惑いを浮かべておずおずとジノを見上げている。

(前にも…何処かでこれと同じものを、同じ状況で、見たような……あれは、何時の事だった…?)

しかし相手の視線が戸惑いから怪訝そうなものに移るのを察して、ジノはそれ以上の追求をやめた。

「はは、よっろしくー!…せーんぱい?」

ニコッと小首を傾げながら、上げていた手を怯えさせないようにそっと慎重に薄い肩に乗せる。
警戒されてはどうしようもない。
それに時間は十分ある。焦らずとも、この妙な胸の引っかかりは何なのか、気の済むまでゆっくり探れば良い。
他人に関心の無い自分が、珍しく興味を抱ける人物を見つける事ができたのだ。それだけでも十分な収穫と言えた。
暇つぶしでアーニャの気まぐれに付き合っただけだったのだが、まさかこんな楽しみを見付けられるとは。
全く、自分は運がいい。
特に期待もしていなかったが、この学園に来た意味は十分あった事をジノは確信した。
身体を引いて逃げられてしまった自身の手の平をひらひらと振りながら、背を向けて仲間の方へと遠ざかる華奢な後ろ姿をじっと見つめる。
ジノは周囲に悟られないよう僅かに口角を吊り上げて、一人クツクツと愉しげな笑みを零した。



















11話の例のあの時、ジノがこう思ってたらいいなあ〜という私の頭のかわいそうな妄想ですえへへ!(爆
っていうか短い…そしてジノルルになってねえええええええええええ!うわーん!
こっから広げたりしたいなーとか黒ジノ×ルル書きたいとか今はそれで頭がいっぱいです…ロロルルや鬼畜スザルルやシュナルルや星ルルも書いてみたい…ああー時間ほしい…!
あと黒ジノと黒スザクを脳内でぶつけると殺し合いが始まることがわかりました^^…それなんてホラーだよ!
どっかの素敵サイトさんでやってないだろうか…黒ジノVS狂木スザク×ルルたんとか見たい…(黙れ

御影








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2008.06.27