※ヒバリさんがバイオレンスです。綱吉に執着しまくりです。
 ていうかなんかもうオリキャラレベルに別人です…。
※エロ突入です…ご注意ください。











獣の家:03











「なっ、なにがおかしいんだ………」

「ワオ、まだアイツのこと信じてたんだ。
ホントに兄さんは馬鹿というか愚鈍というか………ま、そこが可愛いんだけど。
あの男が何も知らないはずないだろう?
たぶん、全部知ってるんじゃないのかな。屋敷で起こっていたことも、今兄さんがどういう目にあっているのかも。
でも何も言わなかった……言ってきたところで聞くつもりもないけどね。
アイツなりに兄さんに何か思うところはあるようだけど…でもそれだけだ。
アレには仕事以外のことは何もないよ。他はどうでもいい。
さて、正統後継者の僕と兄さん、どちらの比重が高いと思う…?」

ぺろりと赤い舌が唇の上を舐めあげても、微動だにすることができない。
突き付けられた真実に、逃げ場などどこにも無いのだと思い知らされて、綱吉は愕然と目を見開いた。
雲雀は愉しそうに唇の端を吊り上げながら、綱吉の耳元に更に甘い毒を流し込んだ。

「………ぼくにつなよしをくれたのはね、アイツ。
綱吉に会ったその日に頂戴?って言ったら貰えたよ。簡単なものだよねぇ?
だからね、つなよしは僕の玩具なんだよ。つなよしの全部はぼくのものなんだ。……わかった?」

「そ…んな……うそ………ウソだ……」

「嘘なんかじゃないよ。まあ、そんなコトどーだっていいじゃない。
それよりケーキ食べようよ。兄さんをイメージして作らせたんだ…綺麗でしょ?」

あまりの衝撃にろくな抵抗もできない綱吉を、部屋の中へと雲雀がぐいぐい引っ張り上げる。
シンプルな装丁の箱から取り出された直径30cmほどのワンホールケーキは、確かに美しかった。
ホワイトチョコを薄くスライスした花弁を幾重も重ねた薔薇で全体を覆われた、純白のケーキ。
しかし、それは綱吉に何の感動ももたらすことはなかった。
一刻も早く逃げ出したい、その思いばかりが頭を占めて、綱吉はがむしゃらに暴れ始める。
けれども成長した異母弟の、力強い男の腕にたやすく押さえ付けられれば逃げ出すことなど到底叶わなくて。

「本当はもっと控えめな花がいいかとも思ったんだけど…でも、こんなに頼りなくて、儚げで、弱そうなくせに小さな刺を隠し持ってるトコなんて、兄さんそっくりだと思わない?
この世の悪意なんて何にも知りませんってぐらい真っ白で……ほんと、綺麗だ。
…ぐちゃぐちゃに潰して汚してやりたくなるぐらい。」

「やっ…だ‥!ヤダヤダヤダ…!そんなもの、いらない!たべたくない……………」

「そう、いらないの。ならしょうがないね。」

ぐちゃり。
嫌々をするように力無く首を振る綱吉の横顔に、べったりと何かが塗り付けられていた。
背けていた顔を無意識に弟に戻せば、ケーキを握り潰し、生クリームでべとべとになった手を掲げてにっこりと笑う端整な顔が目に入る。
あれほど美しく精巧に整えられていたケーキは、見るも無惨な状態で花弁を散らしていた。

「なっ………!」

「兄さんがいらないんだったら、僕が食べてあげる」

そう言ってぺろり、綱吉の顔に塗りたくった生クリームを舐めとる。
もがく手足を押さえ付け、雲雀は綱吉のくたびれたスーツに手をかけた。
抵抗むなしく、あっという間に剥ぎ取られたシャツで両手を後ろ手に縛り上げられ、下履きとズボンとを一緒くたに引きずり下ろされて、貧相な身体を冷たいフローリングの上に転がされてしまう。
いいように扱われる自分がくやしくて、情けなくて、綱吉の目尻に涙が浮かんだ。

「や、……やめっ…‥!」

「さっきからそればっかり。もう聞き飽きたよ。
もっとイイ声で鳴いてくれない?」

「っ‥!…ぅ…ひゃあ…っ…」

嫌がって身をよじる様にも構わず、雲雀はケーキを綱吉の全身に塗りたくっていく。
中身にふんだんに使用されていた様々なフルーツも敏感な肌の上で擦り潰されて、小さな悲鳴が漏れてしまった。
クリームの冷たい感触に肌が泡立つ。
なまっ白く薄い胸にもたっぷりと塗り付けると、ツンと尖った赤い飾りを見て、雲雀は満足そうに笑った。

「ワオ、見てよ兄さん。
まだなんにもしてないのに、見られただけで興奮しちゃったの?
こんなに赤く熟れて尖っちゃってるよ…?」

「…ち…がっ……やぁ…っ」

毎日毎日躯に教え込まれた快楽の記憶が、そう簡単に消えるわけがない。
三年を経ているというのに、綱吉の躯は男の与える懐かしい快楽に徐々に反応し始めていた。
恥ずかしい。信じられない。もう死んでしまいたい。
そんな複雑な感情を混ぜて眉を歪める綱吉を上目遣いに、雲雀は赤く尖った乳首をぺろりと舐めあげる。

「……や‥…はっあ……んぁ‥‥…」

「ん………あまいね。なかなかやるじゃない、ここのパティシェ」

「ふ……っう…‥んっ…ゃ…あ、アア‥ッ」

片側だけを執拗に舐め、舌先でいやらしくこねまわされて、無意識に零れた甘えるような声に綱吉はきつく唇を噛み締めた。
それを見て雲雀が口許を弓なりに吊り上げる。
ちゅぱちゅぱとわざとらしく音を立てて吸い上げ、もう片方を長い指先でぐにぐにと押し潰しながら、雲雀は熱い吐息を腫れ上がった突起に吹きかけた。

「ふふ、くやしいんだ?…五歳も離れた弟に好きに扱われるぐらいよわいのに?
でも、すきだよ。そういう弱いクセにつまんない意地張るトコ。
昔からちっとも変わらない…」

「……んっ‥…や、め……おれ、に…さわる…な!」

「……へえ、まだ僕にそんなこと言う元気があるの。余裕だね。
……ほら、見なよ。こんなにいやらしい躯してるのにね」

「やだぁ…っ!」

必死に顔を背けるが、強い力で顎を掴まれ、あえなく自分の身体の方へ向けられてしまう。
既に生クリームだらけになった上半身は、雲雀が弄くった乳首の周りだけが奇麗に舐めとられていて。
濡れそぼり赤く腫れ上がったそれらが存在を主張するかのように、てらてらと蛍光灯の白っぽい光を反射していた。
目の前に卑猥な光景を突き付けられて、全身がカァと赤く染まる。
しかし緩やかに反応し始めている下肢の窮状を見て取って、すぐに我に返った綱吉は焦ったように膝を立てた。
けれど、他に何の遮りもなく、全身余すところなく雲雀の眼前にさらけ出した状態では隠し通せるはずもない。

「………あれ?ココはどうしたの、兄さん?」

わざとらしく切れ長の瞳を眇めてみせる雲雀を、綱吉はきつく睨みつけた。
そんなことはお構いなしに、新しくケーキを掴んだ武骨な手はついに緩く勃ちあがった綱吉の下肢へと伸ばされてしまう。
ぐしゃりと握り締められた指の隙間から生クリームのかたまりがぼたぼたと落とされて、綱吉の淡い叢に絡んだ。
やわらかい茶色の猫っ毛と生クリームの白が、卑猥なコントラストを描いている。
その光景はなんとも言えずいやらしくて、とても直視することなんてできない。
下肢を包むひやりとした感触に、綱吉はヒッと怯えを呑み込んだ。

「そういえばココ、まだ味見してなかったっけ…?」

「ひン……ゃ、め……やっ、やあぁ…」

まんべんなくケーキを塗り付けられて震える屹立が、ぱくり、と雲雀の生暖かい口腔に呑み込まれる。
その強い刺激に耐え切れず、綱吉は高い悲鳴をあげてのけぞった。
れろれろと裏筋をくすぐられ、ヒクつく鈴口に尖らせた舌先を捩込まれれば、快楽に弱い身体などひとたまりもない。

「ひっ……う…やぁ……っは、…アアアアアーッ!」

最近そこを弄ってやっていなかったことも原因だろうか。
手慣れた愛撫であっという間に限界へ追い立てられ、あっけなく雲雀の口腔内に絶頂を放った綱吉は、はあはあと荒い息を吐き出した。
ごくりと上下する喉仏を、茫然と見送ることしかできない。

「………随分早いね。そんな身体でホントに女なんか抱けるの?」

「うる…さ……やあっ……」

ぺろりと舌なめずりをした雲雀にからかうように言われて、綱吉の頬が赤く染まった。
けれど、脚の狭間のさらに奥、ひそやかに息づくそこへひやりと冷たい指を押し当てられて、すぐにそれどころではなくなる。
制止する間もないままに、生クリームをたっぷりと纏った長い指が二本、ずぶりと躊躇なく突き入れられて、綱吉は甲高い喘ぎ声をあげた。

「ひぁ…っ…や、アアアアっ……はぅ…ン‥‥…んっぁ……アアッ‥」

「大分きついな…ちゃんと、僕以外の男はくわえこんでなかったんだ?」

嬉しそうに囁かれるが、もはや何を言われているのか明確に聞き取ることなどできない。

トンファーを扱うせいだろうか、優美な見かけによらずごつごつと筋張った指先が、体温で溶け始めたクリームの油分を借りてずるずると綱吉の中を這いまわっていた。

「……んぁ……は…っ…やん‥ぅ…あ、あ、…あぁ…‥っ」

「…かわいい、つなよし」

「や…っ…‥ぅ…あっ…やめ、…ふ、‥あああっ‥ん‥……きゃぅ‥っ」

意地悪な指先が久々の愛撫にざわめく肉襞をぐちゅぐちゅと掻き回し、昔と同じように、途方もない快楽を与えるあの奥のしこりをがりがりと引っ掻いてみせる。
ただ射精するだけでは得られようがない、鋭い快感に、綱吉は熱に浮かされた視線をぼんやりとさ迷わせた。
足りない。もっと。
その先にある、もっと確かで強烈な悦楽を知っている。
しろい肌を薄ピンクに上気させた躯は、我知らず奥へと誘い込むようにゆらゆらと腰を揺らしていた。
いつの間にか再び勃ち上がっていた華奢なものが、ふるふると震えながら熱い涙を幾筋も流している。
白いものが混じった綱吉の先走りと肌の上の生クリームが交じり合うのを眺めながら、雲雀はゆっくりと綱吉の上に覆いかぶさった。
上着の一枚すら脱がず、完璧に衣服を整えていた雲雀が、そこで始めて己の下肢へ手をかける。
ジーッとジッパーを下ろす乾いた音が、からっぽの部屋で何処か大きく響いた。
尤も、それが快楽に翻弄されている綱吉の耳に届くことはなかったけれど。

「………ぅ…………あ?」

「つなよし…ぼくのものだ。ぼくだけの。」

「ひぃ……っ…やっ、ゃぁ…アアアアアーッ!」

深くくわえ込んだ指を突然取り上げられて、綱吉の唇からは物足りなさそうな呻きが零れた。
しかし次の瞬間、待ち望んでいた灼けるように熱く太く、確かな質量を持ったもので一気に貫かれて、甲高い嬌声がほとばしる。
根元まで全てを綱吉の中へ埋め込ませると、雲雀は喉の奥でくつくつと低く嗤った。
その振動が直接内部から伝わって、堪らない。
綱吉は涎を垂らしながら、焦点の合わない瞳で次々と短い喘ぎを零した。

「やっ…ア…‥ふっ…ぅ……あ、あ、あ、あ、」

「くっ……ハ、…ねえ、コレがずっと欲しかったんでしょ…?
…ぼくも、だよ。ずっと、兄さんが欲しかった。
その腹を引き裂いてまだ温かい心臓にほお擦りしたら、どんな心地がするんだろうって。ずっと、思ってた。
…安心してよ、そんな勿体ないことしないから」

「……んぁ…っ…は……ひゃぁ‥っん‥ヤッ‥…アアッ……ひ、…」

「…………ね、兄さん。ぼくの名前を呼んで。
そしたらもっともっと悦くしてあげる」

「…ゃ、……んぁ…ッ…!?」

二、三度軽く突き上げると、綱吉の中を強く擦りあげていたそれがずるりと引きずり出される。
欲望など無関係だというような冷たく取り澄ました顔に見合わず、赤黒くズル剥けた太いものが、見せ付けるようにてらてらと濡れた表面を凶悪に反射させていた。

「やぁっ……なっ……に………」

「きょうや、だよ。呼んで」

「きょ、……や…?」

「…そう。いいこだね、つなよし」

「…んっ…ふ、は、ァ……やっん…あ、アアアア…ッ」

満足そうに頷いた雲雀が、喉を鳴らす猫のように切れ長の黒瞳を細める。
再び一気に根元まで突き入れられて、綱吉は背筋をのけ反らせて喘いだ。
何度も何度も、肉襞を擦りあげられ、感じる場所を正確に突き上げられる。
激しい律動に、限界まで開かされた足が空中でぶらぶらと揺れ、戒められたままの手首はフローリングと擦れてじんじんと痛みを訴えていた。

ひそやかな息遣いと、ぐちゃぐちゃという交接音、ズッズッと綱吉を貫く音だけが空虚な部屋と綱吉の思考を満たしている。

「はぅ……ン……ア、ア、ア、ア、…‥ひっ‥…ゃあ…っ…‥」

「……ふ、………」

「…やっ……ん、ぁ……ハッ……ああああああッ!」

深く突き上げながら、今だべっとりと綱吉の横顔に張り付いていたケーキをべろべろと奇麗に舐めとって、雲雀は低く呻いた。
これ以上なく深いところまでえぐられて、はかない悲鳴をあげながら綱吉が吐精する。
間を置かず、内壁に白濁を打ち付けられて、綱吉はぶるりと躯を震わせた。
久しぶりに行われた激しい情交に、全身が限界を訴えている。

「帰ろう、兄さん」

異母弟が赤い唇を吊り上げて美しく笑うのを夢うつつに眺めながら、綱吉はゆっくりと意識を手放していった。



















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2007.01.27