※ヒバリさんがバイオレンスです。綱吉に執着しまくりです。
　ていうかなんかもうオリキャラレベルに別人です…。
※ヒバリさんが女性関係匂わせてます…つーか極悪非道です。ろくでなしです。
そんなヒバリさんイヤー!という方はご遠慮下さい…。











獣の家：04










「……ん……………？」

次に目覚めた時、綱吉は静かな振動に身を委ねていた。
いつの間に寝てしまっていたのだろうか？
すぐには状況判断ができず、身体の奥に鈍く響く痛みに眉をしかめながら半身を起こす。
しかし、真横からかけられた涼やかな声音にすぐに何が起こったのかを思い出して、綱吉は顔を蒼ざめさせた。

「起きたの、兄さん。屋敷につくまでもう少しあるから、まだ寝ててもよかったのに」

突然の異母弟の訪問。そして再びこの身を蹂躙された。
どうやら、その後気を失い、雲雀家所有の黒塗りのリムジンで屋敷まで運ばれている最中らしい。
全身に塗りたくられたケーキは奇麗に拭われたのだろうか、まだ少しべたつくが、大して気になるほどではない。
きちんと着せられたスーツを確認するが…ツゥ、と内股を伝う濡れた感触に、綱吉は雲雀をきつく睨みつけた。

「………降ろしてください。俺は、絶対にあそこには帰らない」

「つなよしは、僕と一緒にかえるんだよ」

「ッ…！降ろさないって言うなら、今ここで飛び降りたって…」

「会社」

綱吉が言い募るのを遮って、雲雀はうっそりと口許を歪ませた。
その言葉の意図が分からなくて、綱吉は訝しげに端正な横顔を見上げる。
まるで明日の天気を話すような軽い口調で、雲雀は先を続けた。

「いま兄さんが勤めてる会社。アレ、潰そうか。
そうすれば、兄さんは他に行くとこなんてなくなるよね」

「……な……ッ……！」

予想外の言葉に、綱吉は絶句する。
日本でも…いや、世界でも有数の財閥の一つである雲雀の力ならば、綱吉の勤める一商社を潰すことなど、赤子の手をひねるより簡単なことだろう。
そして綱吉に歪んだ執着を抱くこの異母弟は、躊躇いもなくそれを実行するに違いない。

「やめてほしいならどうすればいいかぐらい、分かるよね？」

「…くっ……ぅ……」

人の良い上司のしわだらけの笑顔や、いつも熱いお茶を入れてくれる新入社員の女の子、引っ込み思案な綱吉にも明るく接してくれた同僚の顔が、次々と脳裏に浮かんだ。
彼らを巻き込むわけには、いかない。
どうすることも出来ない無力さに、強く唇を噛んで俯く。
しかし不意にキッとブレーキが踏まれ、小さい揺れを残して静かに車は停車した。

「き、恭弥さま……」

「…なに？」

恐る恐るといったように運転手が雲雀を振り仰ぐ。
もう１２時半ばをまわっているのだろう、真闇に包まれた辺りを煌々と照らすヘッドライトに、武家造りの由緒正しい巨大な門扉が浮き上がっている。
その前に所在無さげに立ち竦む、小さな人影を見つけて、綱吉は驚愕に目を見開いた。

「ど…して、…ここに……」

肩までのショートカットがよく似合うその姿を、見間違えようはずがない。
それはつい三日前に別れを告げられたばかりの、綱吉の恋人であった。
まさか、やり直そうとここまで追い掛けてくれたのだろうか……いや、彼女には雲雀家について一切話していない。
そんな馬鹿なと自分を戒めるが、それでも期待する気持ちは抑えようがなかった。だって、まだ好きなのだから。
けれども車に駆け寄ってきた彼女は当然ながら綱吉の期待を知るはずもなく。
綱吉が彼女の口から最も聞きたくなかった名前を切なげに呼びながら、彼女は後部座席のスモークで目隠しされた窓を叩いた。

「ねえっ…恭弥くん、中にいるんでしょ！？あけてよっ」

「………。」

始めは無視して車を出させようとしていた雲雀も、女のあまりの剣幕に、一つ溜息をついて窓を開けさせる。
まるでゴミを見下ろすような冷たく無機質な視線を向けると、雲雀は何の温度も感じさせない声音で言い放った。

「……きみ、誰だっけ？」

「…………ぇ？」

彼女の大きな瞳が、信じられない、というように見開かれる。

「そ…んな、わたしのこと、遊びだったの…？」

「ん…？ああ、あの時の女か………遊び？
人聞きの悪いことは言わないでくれないかな。
そっちが勝手に人の身体の上に乗って腰を振ってきただけだろ？
学生に淫行なんて犯罪じゃないの。」

震える細い肩を見つめる切れ長の瞳には、哀れみの情すら浮かんではいない。
奇麗に施された化粧が落ちるのにも構わずに、彼女はぼろぼろと涙を零しながら、必死に窓に縋り付いた。

「ひどい、恭弥くん…あんなに優しく言葉をかけてくれたじゃない…。」

「……アレ？綱吉の女だったから、少し興味があっただけ。
じゃないと君みたいな不細工でバカな女、相手にしないよ。
それより、馴れ馴れしく名前で呼ぶの、やめてくれない。気色が悪い。
その名を呼んでいいのは、兄さんだけだ。」

吐き捨てるように突き付けられて、彼女がずるずると力無く座りこむ。

「悪いけど、もう用済みなんだよ。目障りだから消えてくれないかな。
………出せ、楡崎」

「はっ、はい…」

弱々しく泣きじゃくる彼女にも構わず、無情にも窓は閉められた。
停車時と同様、静かに車が滑り出して、屋敷内で開閉を管理されている門の中へと溶けるように黒い車体が吸い込まれる。
何事もなかったかのようにがっちりと門扉が閉じられて、一連のやり取りに自失していた綱吉は、ようやく我に返って雲雀に食ってかかった。

「貴様…っ！そうか、お前が…お前の仕業だったんだな‥！」

「どうしたの、何で怒ってるの兄さん？」

襟口に掴みかかっても、全く怯む様子もなく、平然と雲雀が首を傾げる。

「ッ……彼女のことだ…！」

綱吉がきつく睨み据えながら言い募ると、雲雀はようやく合点したように薄く口許を歪ませた。

「…ああ、あの女のこと、まだ気にしてたんだ。
早めに別れられて良かったじゃない。あの女、少し優しくしてやればほいほいうちまでついてきたよ。
あんまり頭が悪いんで辟易したけど、兄さんが抱いた身体だと思えば少しは興奮できたかな。
まぁ、あんな女、もうどうだっていいでしょう…？」

ジャキ、袖から出されたトンファーで、座席の柔らかいクッションの上に縫い付けられる。
攻守は一瞬にして入れ代わっていた。
首元に押し当てられた、ひやりと冷たい金属の感触に綱吉はひっと息を呑む。

「兄さんは……綱吉は、僕だけのものなんだから。」

間近に寄せられた、何もかもを吸い込んでしまうような黒い瞳に、がたがたと震える自分が映り込んでいた。
ああ、自分は一生を、この絶対者に支配されて終えるのだ。
そしてそれは、多分、初めてこの黒瞳に出会ったときから決められていたのだろう。
綱吉は諦めに瞼を閉じると、力を抜いてその全てを目の前の支配者の手に委ねた。










終








今考えると、コレ骸さんのがハマってたのかも…（汗
てゆうかとんでもない別人なヒバリさんで申し訳ありませんんんんｎ・・・・！！！（土下座
雲雀さん生クリームプレイでおおはしゃぎの巻き！…なんて誤魔化せませんよねーあっはっはっはっは

・・・・・・・・・・・・・・_|￣|○ﾉｼ

えんらい難産だった…次はリボでは骸ツナの予定です…思いっきりアホなギャグエロ書きたい・・！
今回は暴走しすぎて本当にすみませんでした…（屍

御影








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2007.01.27