※またもやいきなりエロですのでご注意してください〜!
※ライ荒んでるし、ギアン様も別人です…そうですか、いつものことですか…。(涙
失うくらいなら、:01
お題配布@BLUE TEARS様
かつ、かつ、かつ――
階段をゆっくりと降る、ブーツの硬質な足音が石造りの城内に高らかに響く。
その音は反響を繰り返して、最深部に位置するこの部屋にまでも伝わってきていた。
「また、アレが始まるのか……」
石造りの堅牢な古城。
空中を自在に動き、その姿を消すことができる無敵の要塞、ラウスブルグ。
ここに捕らえられてから、一体どれほどの月日が過ぎたのだろうか。
まだ三日のような気もするし、もう数ヶ月は経ったようにも思える。
時間の感覚など、とうに狂ってしまっていた。
薄暗く冷たい部屋には、はるか頭上に明かり取りの小窓が一つ、ぽつねんと設けられている。
中央にはライが小さくうずくまる、天蓋つきの豪奢な寝台が置かれていた。
それ以外に目につくものは何も無い。
ただ広いだけの部屋はひどく寒々しくて、ライはぶるりと躯を震わせた。
薄い紗のようなものを羽織らされているだけなので、それも当然のことなのかもしれないが。
元の服はここに連れられてきたその日に無惨にも引き裂かれ、代わりにエニシアの着ているものと同様の素材で織られたシャツを渡された。
幻獣界の特殊な繊維なのだろうか、きらきらと光り、光に反射して不思議な色合いを見せるそれは、白銀の髪や白い肌と相俟ってライによく似合っている。
不意に、君にとてもよく似合っているよ、と嗤う紅い双眸が思い出されて、嫌悪に吐き気が込み上げた。
食事、着物、入浴―そして、排泄までもをその手ずから管理される日々。
主の帰りを待ってただ無為な時を過ごし、意思を無視されてその意のままに扱われる様は、まるで人形だ。
初めのうちは激しく抵抗もしたが、何時間も尿意を我慢させられ、遂にその目の前で赤子のように漏らすのを見届けられてからは、そんな気概も無くなってしまった。
あまりにも惨めで情けない己の窮状に自嘲する。
しかしそれも、ガチャリ、と鍵穴がまわり、錆び付いた鉄の扉が重く軋みながら開く音に掻き消されてしまった。
「笑っていたけれど、何か楽しいことでもあったのかい?」
後ろ手に再び施錠しながら、優しい声でギアンが尋ねてくる。
楽しいこと?こんな所に閉じ込められていて、そんなもの、あるはずがない。
ギアンのふざけた台詞が何故だかおかしくて、ますます大きく笑い声をあげてしまう。
「ふ、あはははっ…あははははは…っ」
オレが何故笑い転げているのかなんて全然分からないクセに(そしてどうでもいいクセに)、ギアンは同調するような薄い笑みを浮かべて寝台へと近づいてきていた。
スッと笑いを収めてその顔面に吐き捨てる。
「オレに触るな」
「少しは素直になったかと思ったのに…そんな聞き分けのないことを言うなんて、悲しいな」
ちっとも悲しそうではない口ぶりで、睨みつける視線にも構わずギアンは寝台に乗り上げた。
しかし、躯の上に覆い被さられてもじっと動かないライに、軽く片眉をあげてみせる。
「…どうせ抵抗したって同じだろ。やるんならさっさとやれよ」
「それはいい心掛けだな…」
なげやりに答えると、ギアンは満足気に瞳を緩めて唇を落としてきた。
軽いキスを繰り返しながら、胸元をはだけられる。
白い肌にはその執着の度合いを示すように、数え切れないほどの赤い鬱血が浮かんでいた。
「君の透き通った肌に私のつけた赤い痕が映えて…とても綺麗だよ、ライ」
うっとりと囁かれて、背筋がおぞけだつ。
ギアンの唇は次々新しい痕を残しながら、ゆっくりとライの躯を伝い降りていった。
細い首筋、薄い胸板、小さなへそ―そして脚の付け根にまで辿り着くと、内股を軽く吸い上げてそこにも痕を残してから、ついにライの華奢なそれをぱくりと呑み込んでしまう。
「…んっ……」
生暖かい口腔内の感触に、ライは小さく息をつめた。
それを見てギアンが含み笑う。
こんなやつにされて感じたくなんかないのに。
そう思っても、覚えたくもないことを隅々まで教え込まれた躯はギアンの与える快楽にどこまでも従順だった。
すぐに反応し始めた下肢は、意思に反して硬く張り詰めてしまう。
それを感じ取ったのか、震える屹立をくわえたまま、ギアンが甘く囁いた。
「すぐこんなにしてしまうなんて…私のことを待っていてくれたんだね。こうされたくて堪らなかったんだろう?」
「………死ね」
「ふふ、つれないなぁ。照れなくてもいいのに」
こいつは、狂ってる。
当然ながら会話なんて成立しない。
けれどくわえたまま喋られる度に敏感な肌に吐息がかかり、内股を震わせているオレは何なんだろう。
狂人だと思いながら感じている自分が滑稽で、ライは小さく口許を歪ませた。
そんな様子にも構わず下肢に絡む肉厚な舌は、巧みな動きで次第にライを限界へと追い詰めてゆく。
「く…ぅん……ぁ…は、…やああぁ‥っ!」
やがて子犬のように甘く鼻を鳴らして、ライはギアンの口腔へと勢いよく白濁を放った。
ごくり、と上下する太い喉を呆然と見上げる。
まるで極上の甘露のように一滴残らず飲み干すと、ぺろりと唇を舐めあげてギアンはライに笑いかけた。
無理矢理飲まされたことがあるからよく知っている。
あんな青臭くて、苦くて、喉に張り付くどろどろしたものをさも美味そうに飲み干すなんて、正気の沙汰ではない。
それを言うなら、自ら進んで同じ男のものを口に含むこともだが。
「ほら、ここも…そろそろ弄ってほしい?」
からかうような声音に頬がカッと熱くなる。
ライの躯は既に、以前とは全く別のものへと作り替えられてしまっていた。
放ったばかりの余韻に何かを求めてヒクつく後孔を、そっと撫であげられる。
「んっ…ぅ……は……ぁ…」
その刺激に肯定するような甘い吐息が漏れてしまい、ライは強く唇を噛んだ。
快楽にたやすく陥落する躯も、女でもないのに太いもので貫かれることを待ち望む後孔も、全てが忌ま忌ましくて堪らない。
「ああ、駄目じゃないか。そんなに強く噛んでは、傷が残ってしまうよ」
強く歯を立てたせいで唇に滲んだ血を、壊れ物に触れるようにやさしく舐めとられた。
傷が残ったって、なんとも思わないクセに。
白々しい台詞に笑いが込み上げる。
綺麗に血を舐めとって満足したのか、ギアンは一旦身体を離すとコートの内ポケットから小瓶を取り出した。
中を満たすピンクの液体を光に透かして、眼鏡の奥の紅い瞳が笑みに眇められる。
コルクを開けて、黒い手袋を外した手のひらにとろりとそれが落とされた瞬間、甘い蜜のような香りが部屋中に広がった。
甘すぎる香りに頭がくらくらする。
何度も使われた、それ。
詳しくは知らないが、ろくでもないものだということは分かる。
ギアンは幻獣界の特別な植物の樹液だと言っていたが、どうやら強い催淫効果があるらしく、初めて使われたときは我を忘れて身も世もなく喘がされた。
慣れてしまった今ではそんな状態に陥ることもないが、それでも強い快感を与えることには変わりない。
無意識に身体が後退り、内心の怯えを読み取られて思わず舌打ちをした。
「怯えなくてもいい…。君もよく知っているはずだ。ただ、気持ち良くなるだけだよ」
宥めるような言葉とともに、それをたっぷりと絡ませた指が後孔へと寄せられる。
ぐちゅり、といきなり二本も深く埋められてライは鋭い悲鳴をあげた。
「ひっ…!…ゃ……い‥やだ、…やめ………」
「大丈夫、すぐに効いてくるから」
「……やっ………はっあ‥ふ‥‥‥ひ、…あっ……アアッ‥ん」
その言葉通り、塗り込められた樹液を吸収した内壁が、やがてじんじんと痺れを持って疼き始める。
誘い込むように指を締め付ける後孔に、ギアンは喉の奥で低く笑った。
中が痒くて堪らない。
思いきり乱暴に掻きまわしてほしくて、ライは焦れったさに揺れる腰を抑えられなかった。
「そんなに腰を揺らして…君は本当にいやらしいな」
「ひぁ……っ」
しかし期待とは裏腹に、指は樹液を塗り込めただけで出ていってしまう。
代わりに尖らせた舌で入口の襞を突かれて、短い嬌声がライの唇をついた。
ぐにぐにと濡れた舌が入り込んでくる感触に、全身が快楽で震える。
「は…っあ…」
悩ましげな溜息をついて、ライはシーツの上にぐったりと身を預けた。
長い舌はお構いなしに内壁をべろべろと舐めあげている。
「ん…そろそろいいかな…」
舌だけのもどかしい刺激では物足りず、ライの躯は確かな感触を求めて瘧のように震えていた。
躯の奥深くまで余すところなく精液を注がれなければ、この狂いそうなほどの猛烈な痒みが消えないことは、もう知っている。
あの赤黒く長大な逸物で、中を強く擦り上げてほしい。
樹液と舌で十分濡らされたものの、指でほぐされたわけでもないのに、薄桃色の後孔は緩みきって赤い肉襞を覗かせていた。
快楽にぼんやりと霞む思考で潤んだ瞳を上げると、愛おしげに細められた邪眼に行き当たる。
「挿れるよ、ライ…」
そう甘く囁きながら、赤ん坊がおしめを変えるときのようなみっともないポーズを取らされた。
両肩につくほど足を大きく開かされても、快楽にとろけきった躯ではろくな抵抗もできず、されるがままに従ってしまう。
ギアンが前をくつろげて、力強くそそり立ったものを後孔にぴたりと押し当てた。
先程樹液が塗り込められたライの内壁を舐めていたからだろうか、いつもより熱く脈打つそれに後孔がきゅんと疼く。
次の瞬間、熱く滾った楔を激しく突き入れられて、待ち望んだ衝撃にライは躯を弓なりにのけ反らせた。
高い嬌声が次々とピーチピンクの唇を割って溢れ出す。
「ひゃ…っ、あ…アアアアアーッ!…‥や、‥ぅ……はぁ……ン……いゃ……やっ…ア、あ、あ、あ、あ、」
「ッ…君の中は最高だよ…。狭くて、熱くて、私のものを食いちぎらんばかりに締め付けてくる…」
痒くて痒くて堪らなかった肉襞を太いもので思うさま掻き回されて、ライはあまりの快楽に無我夢中でギアンの太い首筋へと縋り付いた。
燃えるように朱い長髪が激しい動きに乱れて、まるでライを閉じ込める檻のように、さらさらと流れ落ちてくる。
いつの間にか後ろの刺激だけで勃ち上がっていたライの小さな屹立も、先走りを零して震えていた。
「ほら、私のものにきつく絡み付いているのが分かるだろう…?」
認めたくなくて、最後の意地で顔を背ける。
憎い男に犯されて快楽に喘ぐ自分の、なんと浅ましくさもしいことか。
けれどもそれがお気に召さなかったのか、顎を掴まれて強引に深く口づけられてしまった。
「……ふぅっ‥ん………はぁ‥……くっ」
「ッ……!」
無遠慮に入り込んで来た舌に強く噛み付くと、鋭く息を呑み込んで薄い唇が離される。
まるで紅を引いたように血で赤く濡れた唇を歪めて、ギアンは妖しく微笑んだ。
「そうか…お望み通り、もっと激しく犯してあげるよ」
「ヒッ…ぁア!?」
思わず怯んでライが息を呑むのと、ギアンが先程までとは比べようもないほどの激しい律動を開始したのは、同時だった。
「…やめ…っ……はっ‥ぁ…ふっ‥‥あ、あ、ッ」
息もつかせぬ力強い突き上げに、意味をなさない単音をあげることしかできない。
最後に一際強く最奥まで打ち付けられて、ライは勢いよく二度目の精を放った。
「……は…っあ……ゃ、やああああああーっ!」
「……く‥ッ……」
間を置かずして内部に白濁を叩き付けられたのを感じ、ぶるりと躯を震わせる。
やがて萎えてなお巨大なそれがずるりと引きずり出され、ライはようやく訪れた平穏にほっと安堵の吐息をついた。
あれほどライを苦しめた後孔の痒みも、奥まで大量の精を注がれて嘘のように引いてしまっている。
心地良い疲労感にうとうとと瞼が落ちてくるのを止められない。
「愛してるよ…私には君だけで、君には私だけだ。そうだろ、ライ?」
ふわふわと夢見心地で唇に優しい感触を感じながら、ライは深い眠りの中へと落ちていった。
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2007.01.14