恋は媚薬:02



※エロ有り話ですので、苦手な方はご注意くださいませー!
※一応END後のお話です。微ネタバレご注意。










「これが何か分かるか…?」

目の前に小さな小瓶を翳されて、ぼんやりと熱に浮かされた視線をさ迷わせた。薄桃色の液体が、瓶の中でたぷりと揺れる。

「……?」

「鬼妖界に伝わる秘薬だ。
強い催淫効果と自白剤の効果も併せ持つ。
簡単に言うと、どんな厳粛な人間も淫らにさせる媚薬ということだ」

「なっ…!……んっ…ひゃぁ…あっ…」

一体いつの間に口に含んでいたのだろう?
そんなものを飲ませたのかと瞳を怒らせるが、すかさず下肢の屹立を優しく擦られてくたりと力が抜けた。

「即効性のはずだが…そろそろ身体が熱くはなってこないか?」

ん?と低い声音で甘く尋ねられれば、そういえば身体が堪らなく熱を孕み始めたような気がする。
はぁはぁと息が荒くなり、頭が熱に浮かされて、視界がぼんやりと滲んだ。
乳首はツンと立ち上がり、下肢はより強い刺激を求めてゆらゆらと自らセイロンの手に擦り付けるように腰が揺れてしまう。

「……やっ…だぁ………」

すり…と助けを求めるようにセイロンの胸に頭を擦りつけると、セイロンが少し目を細めて笑った。

「怖がることはない…これからどれだけ乱れたとしても、何を口走っても、それは全て薬のせいだ。
素直になってもよいのだよ」

「で…もっ……はっ…ぁ…」

「ライ…」

宥めるように優しく名前を呼ばれれば、それ以上抗えようはずもない。
俺が抵抗できたのは、そこまでだった。

「………って…」

「ん?どうかしたか…?」

「もっ…と、…さわ…って……」

顔を熱くほてらせながら、潤んだ瞳で期待を込めてセイロンを見上げる。
そうだ。
全部薬のせいなんだ。
セイロンがあんなものを飲ませるから悪いんだ。
こんなに胸がドキドキしてるのも、触られると気持ちいいのも、優しく名前を呼ばれてすごくうれしいのも、ぜんぶ、ぜんぶ、薬のせい。
だからこんな恥ずかしいこと言ってるのも、俺のせいじゃなくて、セイロンがわるい。
するとセイロンはにっこりと満足気な笑みを浮かべて下肢を弄くっていた手を引いた。

「あっ……」

甘い刺激を取り上げられて、思わず唇から不満げな吐息が漏れてしまう。

「我に触れられて、気持ち良いか…?」

聞くまでもないことを問われて、すぐにこくりと頷いた。
そうか、と唇を綻ばせたセイロンが、先程の瓶の中身を惜し気もなくたっぷりと指に絡ませて、再び俺の下肢へと手を伸ばす。

「ひぁ…っ……ふっ…あぁっん!」

ぬるぬるとした感触に屹立を包み込まれ、ぬりゅぬりゅとくびれの部分を擦り上げられて、俺は背筋をのけぞらせた。
奥の双玉もくりゅくりゅと互いに押し潰すように揉まれれば、たまらない刺激にたちまち限界まで追い詰められてしまう。

「あっ…は、…あ、……アアア…ッ!」

俺は短い悲鳴を上げて、あっという間に絶頂を放ってしまっていた。
ピュ、ピュ、と床に白いものが飛び散る。

「……ふ……はぁ…っ…ん……ぅ…あ……」

飛び出し切らなかったものが、震える屹立からビュクビュクと溢れて、セイロンの手を白く汚した。
快楽の余韻に目許があかく染まり、裸足のつま先がきゅっと先を丸める。
ヒクヒクと開閉を繰り返す鈴口をしばらく愉しげに弄ったあと、ぼうっと瞳を潤ませた俺をよそに、ついにセイロンはそのずっと奥へと俺の放ったものも混じってぬるぬるに濡れた手を伸ばした。

「んっ…ひ、やぁ……ッ!」

自分でも触れたことの無いような場所にひたりと濡れた感触を押し当てられて、思わず身体を固くしてしまう。
けれども片方の手で胸への愛撫を再開させながら、もう片方でぬるぬると蕾の表面を指の腹で撫で回されて、徐々に身体が熱を持ち始めた。
はあっと熱いため息を吐くと、ぬるりと蕾の入り口を滑った指がツプ、と中に埋められてしまう。

「…ゃ……は…ぁ…ああっ……ぅ、…んん…!」

たっぷり濡らされているためか痛みはないが、激しい違和感に眉根がきつく寄った。

「や…っあ……きたな…ぃ……ぁ…っは…ぅ……」

「汚い?そんなことはないぞ。
ライはどこもかしこも綺麗だと我が証明してやろう」

「っ…?!や、め…っ…」

全て一緒くたに下肢に身につけていたものを剥ぎ取られ、セイロンの膝の上で大きく足を開かされる。
顎を掴まれ無理矢理顔を前に向けられて、男の前であられもない恰好にさせられた自分をあますところなく見せ付けられた。

「もっ……やだ…ぁ……」

鎖骨の辺りまでまくりあげられた上着はもはや服の意味をなしておらず、ぷくりと赤く勃ちあがった乳首が白い胸の上で一際その存在を主張している。
みっともなく丸出しにされてしまった下肢では、再び勢いを取り戻した華奢な自身がふるふると奮え、白いものの混じった熱い先走りを零していた。
さらにその奥、セイロンの節くれだった長く白い中指を深くくわえ込み、薄ピンクに染まった小さな蕾がヒクヒクと収縮している様まではっきりと眼前に写し出されて、鏡の中の俺の顔がまた赤くなる。
きもちよくて、はずかしくて、みじめで。
複雑に混じり合った感情の高ぶりに、涙がぽろぽろと眦を伝った。
その涙をぺろりと舐めとられて、たったそれだけの刺激でも快感にぴくりと小さく震えてしまう。

「…ん…はっぁ……あ…あ!」

ぐちゅぐちゅと抜き差しを繰り返されているうちに、違和感だけを感じていたはずが徐々に妙な感覚が混じり始め、次第に息が荒くなった。
掻き回されているそこがじんじんと疼いて、痺れるような、むず痒いような未知の感覚に身体が支配される。
ふと、奥のある一点を尖った爪の先が掠め、びりびりと電流のような刺激が背筋を駆け登って、俺は高い嬌声をあげてセイロンの腕に縋り付いた。

「やあぁ……っ!……ひ、ぅ……やっ……は…あふ…っ…」

「うん?店主殿の良いところは此処かな…?」

「…ふぁ…っ…ぅ……やぁ、…ああっ……」

鉤状に折り曲げた指で内壁を擦られたり、かと思うと奥深くまで激しく抜き差しされて、悪戯な指先に翻弄されるがままの俺はただ息絶え絶えに喘ぐことしかできない。
潤んだ瞳を開けば、いつしか一本だったはずの指は三本に増やされ、室内はぐちゅぐちゅと俺の中を掻き回す淫らな水音で満たされていた。

「そろそろか…」

「ぅ…あ…?」

低い呟きが落とされるのと同時、俺を追い詰めていた指がずるりと引き抜かれて、物足りなさに後孔がひくりと震える。
戸惑いにぼんやりと瞳を揺らす俺の視線を捕らえ、セイロンは真摯な声音で俺の名を呼んだ。

「ライ」

静かな赤い瞳が、じっと俺だけを写している。

「我の事が好きか?それとも嫌いか?
己に正直に答えて良いのだよ…全てはそう、薬のせいであるのだから」

「くす、り…?」

「そうだ薬だよ、ライ」

鋭い三白眼が、獲物を前にした蛇のようにゆっくりと細められた。
促すようなその瞳に引き込まれて、半ば夢心地になりながら俺は唇を震わせる。

「……す…き…」

「うん…?」

「す…き……す、き…せいろ、…ん………すきぃ……っ…」

「そうか…」

セイロンの瞳が喜色を帯びて、俺まで嬉しくなってしまう。
だって、これは俺のせいじゃない。
だから何を言ってしまったとしても、ずっと目を背け続けてきた事実をもう一人の俺が吐露してしまったとしても、それは全て俺のせいじゃないから。

「ならば、我は貴殿に永遠の忠誠を誓おう。
貴殿の傷みも、哀しみも、全て我が引き受けよう。
我が貴殿を裏切ることはけしてない。
龍の血族が交わした契約は、死してなお行使される。
もし違えれば、我の魂は千々に引き裂かれ永劫の闇をさ迷うだろう。
貴殿が我から逃がれぬ限り、我は貴殿を守護し、傷つけることはない。
…これは契約ぞ、ライ」

セイロンが謡うように誓約の詞を紡ぐ。
それはどんな愛の言葉よりも雄弁に、重く、深く、そして激しい想いを伴って俺のこころの淵に沈んだ。

「……ヒ‥ッ!やっ……ッ…やだああっ……やめ、せいろ……んぁ…ふ……ひあああっ、アアアア…ッ!」

しかし直後、予期せぬ場所に無理矢理灼熱をねじり込まれて、俺は絶叫をあげて瞳を大きく見開いた。
メリメリメリ、と下肢から身体を真っ二つに引き裂かれるような激しい痛みに、目の前が赤く染まる。

「ゃあ…っ……ん、……ひぅ…っう……ああ……ぁ……」

「クッ………」

あまりの痛みにぎゅうぎゅうと締め付けてしまうせいか、セイロンも薄い唇を食いしばっていた。
俺もセイロンももう汗だくで、セイロンが好んで身につけている桜の匂い袋と相俟って、むせ返るような香りに酔いそうになる。
ガリ、
尖った犬歯が俺の首筋のやわい肌に食い込んで、形良いセイロンの唇を紅く汚した。
またセイロン自身もぶつりと己の親指を噛み切り、それを俺の唇にすっと這わせる。
まるで紅を引いたかのように紅く唇を彩られ、全身を淡く上気させてとろりと瞳を潤ませた俺が鏡の中で喘いでいた。

「んっ……は、ぁ…あぁ…っ」

「……ふ、……」

するりと俺の下肢に滑り降りた大きな手の平に痛みで萎えかけたものをすっぽりと包まれて、ゆるゆると与えられた刺激に俺は必死で意識を集中させる。
僅かに気をそらした瞬間に、まだ先端しか含んでいなかったセイロンの太い剛直がズルズルと俺の中を奥へと進んだ。
セイロンの膝に座る形になっているためか、自重も加わって内臓に達しそうなほど深く深く呑み込んでしまう。
ギチギチ、と限界まで入り口が拡げられるが、丁寧にほぐされ、たっぷり濡らされたためか幸い裂ける様子はない。

「っ…ひぁん……!…ゃ……あぁ…ぅ」

根元まで埋められ、深く息をついたところでまた軽く揺すり上げられる。
計らずもセイロンのもので奥のあの場所を擦られてしまい、俺はひっと息を呑んだ。

「ライ…ライ……」

狂おしげに俺の名を繰り返しながら、セイロンが同じ場所幾度も幾度も突き上げる。
セイロンの大きさになれたのか、始めの激痛もだんだんとなりを潜め、俺の身体はいつしかあのむず痒いようなじれったい感覚とあの場所を突かれた時に生じる凄まじい衝撃とに支配されてしまっていた。
前に与えられる刺激と後ろに与えられる未知の感覚とが、頭の中でぐちゃぐちゃに溶け合っている。
今感じているのが痛みなのか快楽なのか、俺にはもう全く分からなかった。

「あ、あ、あ、あ、…あふっ……ぅ…は、ァ……ひっ…あ……アアッ……ん…ぅ…あああ…っ………」

ぎちゅ、ズ、ズッ、と俺の腰を力強く掴んで突き上げるセイロンの律動が次第に速度を増し、翻弄される俺の息も熱を孕んで荒くなる。

「……やっ、だぁ…ア、はっ……み…るな…ぁ……アアッ」

見られて、いる。強く。つよく。
鏡越しでも執拗に俺の身体の上を這うセイロンの視線を感じて、身体の熱が更に上がった。
汗に濡れててらてらといやらしく光る赤い乳首も、赤く爆ぜた鈴口をヒクつかせ先走りを零す華奢な屹立も、太い男のものを奥までくわえ込み、さも美味そうにしゃぶりついている後孔も。
何より、セイロンの与える快楽を求めて目元を真っ赤に染め上げ、唇の端から涎を垂らしてあさましく喘ぐ俺の淫らな表情の全てが、余すところなく鮮明に目の前に映し出されている。

「だ……めぇ…っ」

咄嗟に両手を結合部へとやるが、がくがくと揺すぶられるままの身体では到底止められるはずもなく。

「きゃう…っ……ン…っは…ぁ、…ぅ……やっあ…あ、あ、ア…アアアアアーッ!」

一際深く打ち付けられて、俺は背を弓なりにのけ反らせ、勢い良く二度目の精を放っていた。
一拍遅れて、セイロンも俺の内部に絶頂を叩きつける。
熱い奔流を敏感な内壁にぶち撒けられて、俺は悦楽の余韻にヒクヒクと小刻みに身体を震わせながら、心地良い疲労感に誘われてゆっくりと意識を手放していった。





後日。

「ああ、店主殿。
あの時使った媚薬だがな、実はあれは近所の駄菓子屋で買ったただの水飴だったのだよ。」

「………………はあっ?!」

「懐かしくてな。つい買うてしもうた。あっはっはっはっはっ」

「〜っ!お〜ま〜え〜は〜ッ!!」

「ま、つまりは店主殿があんなに乱れたのも、我に可愛く『せいろん、すき』と言うておったのも、全ては店主殿の意思ということで相違ないな?」

「うっ………」

「愛しているよ、ライ…」

「……そんなの反則だ、バカ」

「………………………ってどさくさに紛れてドコ触ってんだよ!?やめろおおお!」

なんていうやりとりがあったのはまた別のお話し。



















携帯6666HIT椎名暁さまに捧ぐ。
次はちゃんとグラライかカサライを…!
……でもコーラル(大人バージョン)も気になる今日この頃。(うおおい!
若、やりたい放題です。(笑
なんか…ちゃんと甘くなりましたかね…?(死
ちょっと策士なセイロン?になってしまいました…。
まぁ結局は両想いってことで…!(爆

御影








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2007.02.22